全国環整連 第44回全国大会
第44回全国環整連全国大会の開催にあたり
「全国環整連第44回全国大会in青森」の開催にあたり、大会テーマを
一般廃棄物の処理責任と適正処理・行政の責任と業界の義務
~2つの最高裁判決が示すもの~
とした。
平成26年に、一般廃棄物処理業務のあり方に関する2つの重要な最高裁判決が出た。平成26年1月28日福井県小浜市の「一般廃棄物処理業の新規許可」をめぐる最高裁判決、平成26年4月3日佐賀県伊万里市の「随意契約の適法性と合特法に関する損害賠償」をめぐる最高裁判決である。
小浜市の最高裁判決を受けて、平成26年10月8日には環境省から“廃棄物処理法の適正な運用の徹底を図る”ため、いわゆる「10・8リサイクル対策部長通知」が発出された。
一般廃棄物の処理は市町村の固有事務である。市町村には自ら実施することが困難な場合に、処理業者に許可を与えて「一般廃棄物処理計画」に基づき適正に処理させるという統括的な処理責任がある。
許可を受けた一般廃棄物処理業者は、市町村が策定した「一般廃棄物処理計画」に従い、適正に業務を遂行するという義務を負っている。適正処理の義務を果たしていくためには、市町村によって定められた区域内において責任をもって計画的に処理していく必要がある。
平成26年1月28日の最高裁判決で『廃棄物処理法において、一般廃棄物処理業は、自由競争に委ねられるべき性格の事業とは位置づけられていない』と判示した意味するところは何か。
本大会においては、2つの最高裁判決の言わんとするところを読み取り、一般廃棄物の処理責任と適正処理の義務を果たすべく、「一般廃棄物処理計画」の重要性と「処理責任担当区域」の必要性を中心に議論して、業界のあるべき姿、その役割を確認し、地域の環境保全に貢献することを目的に開催する。
青森県環境整備事業協同組合
理事長 古澤 謙一
主催 | 全国環境整備事業協同組合連合会 | ||
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担当 | 全国環整連北海道・東日本地区協議会 青森県環境整備事業協同組合 | ||
後援 | 環境省、青森県、青森市、青森県市長会、青森県町村会 | ||
開催日時 | 平成30年10月15日(月)・10月16日(火) | ||
場所 | ホテル青森 3階『孔雀の間』 | ||
開催内容 |
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多くのご来賓の出席を得て、全国環境整備事業協同組合連合会の第44回全国大会を開催するにあたり式辞を述べます。
戦後の法律は、汚物掃除法、清掃法、廃棄物処理法と変化し、市町村の処理責任は徐々に整理されていったが、処理施設が能力不足のため、市町村は業者の不法投棄を前提に許可をしてきた歴史がある。
昭和38年には一般廃棄物業務を直営化する法案が提出されようとしたが廃案となった。その後も、委託化に一本化する案や平成10年には清掃業を許可から登録制とする案が浮上しては消えた。
未だに、新規業者を参入させ、業者の濫立による競争原理によって、料金を下げさせようとしたり、一般廃棄物処理業務を競争入札する地方自治体も存在する。
昭和50年全国的に下水道施設の整備が普及していく中、「下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法」が制定され、一般廃棄物処理業務を継続させる合理化事業計画の策定が明記された。
多くの市町村で、一般廃棄物処理実施計画に必要な区域の定めがないことから発生する問題に公正取引委員会から指摘せざるを得ない事案が時に有る。
青森県内では、18リットル当たりの汲み取り料金が200円を超えるところもあれば100円以下の地区も存在する。更には、本来市町村の負担となるべき処理費用を投入料金として業者から徴収している実態もある。
この現実は何を意味するのだろうか?
平成26年1月28日 最高裁判決
【最高裁判決の趣旨】
『廃棄物処理法において、一般廃棄物処理業は、専ら自由競争に委ねられるべき性格の事業とは位置付けられていないものといえる』
廃棄物処理法の目的及び趣意を改めて認識の上、一般廃棄物処理計画の適正な策定及び運用をなされたい。
平成26年10月8日 環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知 抜粋
【 一般廃棄物処理計画を踏まえた廃棄物の処理及び清掃に関する法律の適正な運用の徹底について】
『受託料が受託業務を遂行するに足りる額であること』
経済性の確保等の要請ではなく、業務の確実な履行を求める基準であることに留意が必要である。
市町村の処理責任は極めて重いものであることを改めて認識されたい。
との通知が発出された。